箔検電器は,静電誘導を利用して物体の帯電状態を調べるための器具である。
静電誘導により生じた電荷の反発力でアルミ箔が開き,その開き具合で電荷の大小もわかる。
物体を帯電させるには,摩擦電気を利用するのが簡単である。
2つの絶縁体(誘電体)をこすり合わせると,いずれかがプラス,他方がマイナスに帯電する。
(極めてわずかな割合だが,電子が一方から他方に移動する。)
(参考) ファラディの静電序列 (以下の2つをこすり合わせたとき,左のものが+に帯電するという)
+ 獣皮,フランネル,象牙,羽根,水晶,フリントガラス,綿,亜麻布,絹布,木材,シェラック,金属,イオウ,ゴム,エボナイト −
今日,実験に便利なのは,アクリルパイプと塩化ビニルパイプである。
これらを,毛皮かティッシュペーパーでこすると,アクリルはプラスに,塩ビはマイナスに強く帯電する。
(このとき,毛皮やティッシュペーパーは,逆に帯電するはずだが,観察はしにくい。)
物体がプラスに帯電していても,マイナスに帯電していても,
物体を検電器に近づけるとアルミ箔が開く。
物体を検電器から遠ざけると,アルミ箔は閉じる。
帯電した物体を箔検電器にこすりつけると,検電器が帯電する。
帯電した物体を遠ざけると,アルミ箔は(少し閉じるが)開いたままになる。
検電器と同符号に帯電した物体を近づけると,
アルミ箔がさらに広がるだけである。
検電器とは異符号に帯電した物体を近づけると,
・最初,アルミ箔が閉じて,
・さらに近づけると,再び開く
という動きが見られる。
まず,帯電棒を検電器に近づけた状態で,検電器を指で触れる。
人間の体は導体と考えてよいので,帯電棒と同じ電荷は体の方に逃げていく。
※このとき検電器と人体が1つの導体になっているわけである。
次に,指を離してから帯電棒を遠ざけると,帯電棒と反対の電荷が検電器に残る。
※帯電棒を遠ざけてから指を離すと,検電器に電荷は残らないので注意。