冷却曲線(2)

ニュートンの冷却則よりも正確な実験式を得るために,放熱量は物体と外部環境の温度差 の2次式で表されるとする。

※シュテファン・ボルツマンの法則は4次式であるが,その中の2次の項までをとったものと考えてもよい。

外界の温度 は一定であるとして,物体と外界との温度差を   とすれば,次式を仮定することになる。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2-1)

ここで,Cは物体の熱容量であり,は実験から決める定数である。

この方程式の解は,以下のようになる。

  ・・・・・・・・・・・・ (2-2)

ここで,  は初期の温度差である。


解(2-2)の導出法

微分方程式(2-1)は変数分離型であり, と書ける。
ここで,  を使えば,すぐに積分ができて,

 ・・・・・・・・・・・・ (2-3)

が得られる。これを について解いたものが上記の解(2-2)である。


の決定法

3つの実験値 を使って を決める場合は,次のようにすればいいだろう。
式(2-3)を使うと,

 ・・・・ (2-4)

が得られ,この後半の等式から,

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2-5)

となる。これを(2-4)の前半の等式に入れて,

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2-6)

を得る。これから を決めれば, (2-5)により も決まる。