分子の速度分布を考慮すると

分子は,左右上下前後の6つの向きのいずれかに動いているとするが,その速さは, のようにばらついているとして計算すると以下のようになる。このとき,速さ を持つ分子の数を とする。(

速さ でした衝突した分子により壁が受ける力積は であり,単位時間にこの速さの分子が衝突する回数は, になる。これをさまざまな速さについて和をとり,単位時間当たりに壁が受ける力積,すなわち壁が受ける平均の力 を求めると,
     
となる。

の平均値は であるから,これを使って書けば,
     
圧力 は,
     
となる。

すべての分子が同じ速さ で動いているとした近似の計算では となっていたところが, で置き換えられることになる。
また,各分子の運動エネルギーの平均値 で書ける。
     

以下は,先の近似と同様で,理想気体の場合,
     
     ,  (
     
などとなる。