問9 棒のつりあい

半径 の直円柱を水平に倒して固定し,その上に質量,長さ の一様な棒を直円柱に直角に置いてつり合わせる。
(1)この状態で棒の一端に質量 のおもりを下げると棒は角度 傾いてつり合った。 の関係を求めよ。
(2) を大きくしていくとあるところで棒が滑り出した。棒と円柱の静止摩擦係数を として,棒が滑り始めるときの を求めよ。

    

(解)

(1)棒に働く力は,下向きに棒の重さ とおもりの重さ,上向きに円柱から受ける抗力 である。
棒の重心を中心として回転力のつり合いを考えると,棒の重心と接点までの距離は であるから,
     
     
となる。これが の関係である。

(2)接点で棒が受ける垂直抗力 と摩擦力 は,
     
     
であるが,静止摩擦係数が のときは,
     
でなくてはならない。これより,
     
となる。

したがって,滑り始めるときの角度は,
     
であり,そのときのおもりの質量は(1)の結果より,
     
となる。