凸レンズ・凹レンズの像とその倍率

凸レンズ

結像公式 において,焦点距離 とする。
ただし, はレンズと物体の距離, はレンズと像の距離である。
実物に対する像の大きさ,すなわち倍率は, で与えられる。

(1)  のとき, 倒立実像が の位置にできる。 倍率は,

カメラはこの場合に相当する。通常,物体はずっと遠くにあるので,実像は焦点のごく近くにできる。

(2)  のとき, 倒立実像が の位置にできる。 倍率は,

(3)  のとき, 倒立実像が の位置にできる。 倍率は,

プロジェクタはこの場合に相当する。プロジェクタ内の小さな液晶画面を大きいスクリーンに投影する。

(4)  のとき,像はできない。(

(5)  のとき, 正立虚像が の位置にできる。 倍率は,

虫眼鏡(ルーペ)でものを見るのは,この場合に相当する。

凹レンズ

結像公式 において,焦点距離 とする。

物体の位置が のとき,像の位置は となり,正立の虚像ができる。
倍率は, となる。


凸レンズ・凹レンズのいずれの場合も, の場合があり得る。
これについては,虚物体の項を参照のこと。


このページは,2008年度前期 物理学演習II の時間に制作されました。