虹の幾何光学による計算

ここでは,演示用ソフトを作った際の計算を示しておく。

主虹の角度

一回反射の角度は,

     

であり,屈折率を とすると である。
したがって,

となり,このグラフは図のように最大値をもつ。

最大となるのは,

より, のときで,最大値は

である。 とすると, のとき, となる。

副虹の角度

2回反射のときの反射角は,

     

である。これを屈折率と入射角で書くと,

となる。このグラフは,図のように最小値を持つ。

最小となるのは,

より, のときで,最小値は

となる。 とすると, のとき, となる。


主虹の強度分布

水滴の中心を通る平面内で考える。

中心軸から から の位置に入射した光線が から の間に反射されるとき,入射強度 によらず一定である。
一方 方向の反射光の強度 は,
     
で与えられる。

水滴の半径を とすると, であるから, である。そこで,

     

のグラフを描くと右図のようになる。

を求めるには, を用いて から を求める。

の最大角  と, のときの を使って場合分けが必要になる。

では1つの解 があり, である。
では2つの解 があり, とすればよい。

副虹の強度分布

副虹の場合も同様にして,

を得る。グラフは右図である。

を求めるには, を用いて から を求める。

最小角 と, のときの で場合分けをする。

では1つの解 があり, である。
では2つの解 があり, とすればよい。


水の屈折率

水(20℃)の屈折率 は,理科年表や「物理便利事典」(東京図書)の値を使うと下図のようになる。

この中の曲線は,可視域でデータに合うよう求めた次の4次関数である。

n = 1.072519489063E-12 x4 - 2.743492393061E-09 x3 + 2.664629599096E-06 x2 - 1.191283408821E-03 x + 1.541788800546E+00

( x は波長を nm 単位で表した数値 )

演示ソフトでは,以下の波長を使用し,それらを適当な色で表している。
(使用した波長や色には,理論的な根拠はない。)

波長[nm] HTML, .NET 標準色の名前
680 Red
620 Orange
580 Yellow
530 LightGreen
青緑 490 DarkCyan
445 Blue
415 Violet