水中の物体の像(水面による屈折)の計算例

水面を, 水中の物体の位置を, 水の屈折率を とする。

図のように,物体から の角度で出た光線は水面の点 で屈折し, 角度 で空気中に進むとする。このとき,

                     (1)

が成り立ち, である。また,
     
である。

空気中の光線 の式は, と書ける。

上で見た物体の像の位置を求めるために, 物体から角度 で出た光線を考え, それが水面と交わる点を, 空気中に出た後の光線を’とする。
の交点が求める像の位置になる。 の式は, であるから, 像の 座標 は,

           (2)

で与えられる。ここで, で, 角 は微小な角である。

(2)で,
     ,  
を使うと,
     
となる。さらに,(1)式とそれから得られる関係
     ,  
を使うと, を消去することができる。

その結果,像の位置 は次式のように求められる。

     ,  

であるから, のとき, であり,像は物体より手前に見える。

また,真上から見た のときに像は の深さにあり, のときは, であるから,角度が大きくなるほど像は浮かび上がり, 臨界角() のときに像の深さは0になる。


物体から十分離れた水面から見たときの像の位置 を求めよ。(像の深さは 0 である。)

(こたえ)
  であるから, であり, となる。
 これは臨界角のときの でもある。  とすると, である。

目の位置(したがって)を連続的に変えていったときの像の位置は下図のようになる。

像の位置を角度で表してみよ。

(こたえ)
     ,