縦波の変位について(補足)

縦波の場合,位置 の変位が であれば,この点は の位置に移動していることになる。

同様に,その近くの の点の変位は であるから,この点は の位置に移動している。

この2つの位置の差は,

となる。
この部分は,本来 の長さであったから,この部分の伸びは, となる。(これが負なら縮みを表す。)

伸びと元の長さの比をひずみというが,今の場合,ひずみは, となる。

のときは,その部分は伸びでおり, のときは,縮んでいる。


さて,変位後の2点が元の並びと入れ替わることはない。

のとき,この条件は, となる。すなわち,

でなくてはならない。 のときも同じ条件になる。これは,縮みには限度があることと対応している。
これは,ばねの場合,いくら縮めてもばねの長さは正であり,負にはなれないことに対応している。

正弦波 の場合,

であるから, より, すなわち,

となり,縦波の場合には,振幅と波長の間にはこの制限が付く。